酒器盆「波に千鳥」
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新作
一次販売
展示中
~大木 淑恵先生からみなさまへ~ 大好きなモチーフ「波に千鳥」を酒器盆に取り入れ、お酒やお茶を楽しんでいただけたらと制作しました。切り込み文様という、竹ひごを一部細く切り抜くことで文様を表す技法を用いました。
  • Year of Production
    -
  • Artwork Dimensions
    奥行10.0cm × 幅23.0cm × 高さ2.0cm
  • Shared Box
    有
  • Material
    真竹、藤
  • Technique
    組技法、切り込み技法
  • Artwork Condition
    新品、未使用
  • Format
    現物あり(証明書あり)
  • Authenticity Determination Data
    有
  • Storage/Exhibition Location
    飛鳥Ⅱ
  • Seller
    ARTerrace
  • Scheduled Shipping Date, etc.
    通常1ヶ月程度(※作家による作品確認や船の運航状況等により、お届けが前後する場合がございます)
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しゅきぼん「なみにちどり」

酒器盆「波に千鳥」

大木 淑恵
日本工芸会正会員
木竹工新作一次販売展示中

Bid/purchase currency: Japanese yen

Price (including tax)
¥
55,000
  • Year of Production
    -
  • Artwork Dimensions
    奥行10.0cm × 幅23.0cm × 高さ2.0cm
  • Shared Box
    有
  • Material
    真竹、藤
  • Technique
    組技法、切り込み技法
  • Artwork Condition
    新品、未使用
  • Format
    現物あり(証明書あり)
  • Authenticity Determination Data
    有
  • Storage/Exhibition Location
    飛鳥Ⅱ
  • Seller
    ARTerrace
  • Scheduled Shipping Date, etc.
    通常1ヶ月程度(※作家による作品確認や船の運航状況等により、お届けが前後する場合がございます)
おおき としえ

大木 淑恵

日本工芸会

木竹工

大木 淑恵
  • 2003

    第50回日本伝統工芸展 奨励賞

  • 2006

    第46回東日本伝統工芸展 東京都教育委員会賞

  • 2019

    第17回伝統工芸木竹展 文部科学大臣賞

  • 2023

    第19回伝統工芸木竹展 文部科学大臣賞

  • 2024

    第71回日本伝統工芸展 奨励賞

  • 2026

    第73回日本伝統工芸展 総裁賞

  • 2026

    第4回 飛鳥クルーズ賞

  • 2026

    次世代バンブーアート賞 2026 コフランド最優秀賞

「作ることイコール、生きること」

若くして竹に魅入られ、人間国宝・飯塚小玕斎に師事した大木淑恵(おおき・としえ)先生。第73回日本伝統工芸展 総裁賞、第4回「飛鳥クルーズ賞(2026年)」受賞に際し、竹工芸との出会いから独自の造形表現の生まれたきっかけ、創作への想いを伺いました。

取材・文:藤田 綾佳(ARTerrace)


——竹工芸との出会いは、いつ頃でしたか。

大木淑恵先生:

 高校2年生のときです。当時通っていた高校の近くで、のちに師事する人間国宝・飯塚小玕斎先生(故人)の展覧会が開かれていて、そこで初めて竹工芸に出会いました。それまで竹といえば、花かごや笊(ざる)など、生活の道具というイメージ。展覧会で見た作品は、竹かごであると同時に芸術的な「表現」としても完成していました。用途と作家の表現が両立している様子に、当時かなりの衝撃を受けたのを覚えています。

——竹は、どのような工程を経て作品になるのでしょうか。

大木淑恵先生:

 まず、竹を選ぶところから始まります。「竹磨き」という工程で表面を整え、必要な長さに鋸(のこ)で切ります。それを鉈(なた)で細かく割っていき、「肉剥ぎ」といって、必要のない内側の部分を取り除いていきます。ある程度の太さや幅に揃ったら、次は「幅切り」といって竹ひごの幅を整えます。その後厚みを整える「線引き」を経て「面取り」をして完成。色を付ける場合は、面取り後に染めます。こうしてようやく、作品の素材としての竹ひごが出来上がります。

——作品のアイデアはどんなところから生まれますか。

大木淑恵先生:

 日常生活のなかで目にとまったものや、家族で出かけたときに偶然出会った風景から生まれることが多いですね。「あ、これは竹に生かせるな」と探している自分がいます。木漏れ日を見て、「この瞬間の印象を作品に取り入れたい」と思う、などです。暮らしのなかで出会ういろいろが、頭のなかで竹につながっています。

自由な造形を求めて

——大木先生の作品は、技法としてはどのような特徴がありますか。

大木淑恵先生:

 竹工芸の技法は、大きく2つに分けられます。ひとつは、細く薄い竹ひごを使って「編む」方法(→「編物」技法)。もうひとつは、ある程度の厚みや幅を残した竹を「組む」方法です(→「組物」技法)。編まずに形をつくり、籐(とう)などで固定していきます。私は現在、主に「組む」技法で制作をしています。編物の場合、編み方によってある程度完成形が限定されるところがあります。組む方法であれば、比較的自由に造形することができます。私は、より造形的な作品をつくりたいので、「組む」という方法のなかで、竹でどこまで表現できるのかを探っています。

オリジナル技法「稜折(たかおり)」について

——そのなかから「稜折」という独自技法が生まれたのでしょうか。

大木淑恵先生:

 竹ひごを使って山の「稜線」を表現できないか、と考えたことが始まりでした。基本的に竹は、急な角度で曲げると折れてしまいます。竹を折らずに、それでいて、折り紙のように「折れているような」角度でかっちりとした線を出したいと思いました。竹ひご一本一本にカクッとしたラインをつけ、位置を少しずつずらしながら並べていくと、折れ目が連続的な稜線として現れてきます。表現したかった「稜線」と、「折ったように見える」ことを組み合わせて「稜折(たかおり)」と名付けました。

 《稜折花籃「燎」(たかおりはなかご「かがりび」)》/大木淑恵

——作品名を拝見すると、水や海、波を思わせる作品が多いように感じます。

大木淑恵先生:

 海なし県で育ったためか、海や波につい惹かれてしまうところがあります。水の流れ、動いていく波などの様子を見ているのがとても好きで。日々の暮らしや、家族で出かけた先で印象に残ったシーンを作品のテーマにすることもあります。

——今回飛鳥船上に展示される作品も、やはり海にまつわる出来事からアイディアを得ましたか。

大木淑恵先生:

 家族で沖縄旅行に行って台風に遭遇しました。宿から出ることもできず、窓の外の荒波を見ているしかありませんでした。葛飾北斎の絵のように荒れ狂う波を目前に「波って、ものすごい力を持っているんだな」と(笑)。しかも迷走台風で、飛行機が一週間くらい飛ばなかったんです。

 これまでも波をモチーフにした作品をいくつか作ってきましたが、さざ波のような穏やかな波の動きを表現することが多かったので、「せっかくなら、この悔しい経験を何とか作品に生かしたい」という気持ちがわいてきて、今までとは違う「激しい波」をつくってみました。その最初の作品です。

大木淑恵《波濤》
飛鳥Ⅱ船上 展示作品 《花籃 波濤(はとう)》/大木淑恵

——素材には、これまでの作品とは異なる竹を使っているのでしょうか。

大木淑恵先生:

 この作品では煤竹(すすだけ)を使っています。煤竹とは、古い民家などの建材として使われていた竹が、囲炉裏の煙によって長い年月をかけて燻されたものです。普通の竹とは違う、独特の力強さがあるように感じています。力強い波を表現したかったので、煤竹の存在感を波のパワーに見立てました。

——制作のなかで、特に難しさを感じるところはありますか。

大木淑恵先生:

 新しい表現や、新しい造形に挑戦すると、必ずと言っていいほど想定外のことが起きます。うまくいかないことをどう乗り越えるか、最終的にどう作品としてまとめ上げるかに苦心します。最初に思い描いた通りにはいかなくても、何度もアプローチを変えて、試しながら形にしていく。新しいものをつくるときはその繰り返しですね。

——先生にとっての竹の魅力は何ですか。

大木淑恵先生:

 竹は、生えているだけで美しいと思います。竹ひごにすれば、表面がつややかで見た目にも美しい。そして、ばねのようにリズミカルな弾力があります。竹ならではのしなりや張りは、他の素材にはない魅力。この生命力が活きる作品にしてあげたいと常に思っています。

——作品を、生活のなかでどのように楽しんでもらいたいですか。

大木淑恵先生:

 「工芸作品だから」と気負わずに楽しんでいただきたいです。 「素敵だな」とか「かわいいな」と思ったものを、まず自分の手元に置いていただく。ふと目に入ったときに元気が出る。そんな存在になったら嬉しいですね。 

「今日はお客さまが来るから、お花を生けてみよう」「素敵なイガグリが落ちていたから、これを飾ってみよう」など、作品があることで生活のなかに新しい楽しみやうるおいが生まれるといいな、と思います。

——大木先生にとって、「作ること」とは何でしょうか。

大木淑恵先生:

 「作ることイコール、生きること」という感じです。といっても、毎日必ず竹を触っているわけではありません。休日は休みますし、家族で旅行にも行きます。旅行をしていても、日常生活のなかでも「作品に生かせるかな」とどこかで考えています。私のなかでは生活と創作を分かつものはなく、一体になっているのかもしれません。私が竹工芸を志したきっかけのひとつは、のちに師匠となる作家の作品に感動した体験です。自分がかつて作品から何かを受け取り心を動かされたように、ひとの心を動かす作品をつくっていきたいです。

——飛鳥の船上で作品をご覧になる方へメッセージをお願いします。

大木淑恵先生:

 飛鳥はとても素晴らしい空間だと伺っています。そのなかで工芸作品をご覧になって、さらに豊かな気持ちになっていただけたら嬉しいです。


 穏やかなさざ波を表現してきた作家の前に、ある日、荒れ狂う海が現れました。自然の圧倒的な力のあらわれた波の姿を、竹ひごで作品として書き留めていく。「作ることは、生きること」。大木淑恵先生の言葉は、生活と制作を分かつことなく日常から表現を生み続ける、「工芸」のあり方そのものを表しているのかもしれません。

 先生の作品は、国内の美術館をはじめ、ヴィクトリア美術館、ポートランド美術館にも収蔵されています。

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