竹工芸について

日本には約600種類の竹が生育しており、竹工芸ではそのうち約10種類を使用しています。竹のしなやかで弾力性があり折れにくい特徴を活かし、古くは縄文時代から生活の道具が作られ、正倉院には現在でも花籠や盛籠が多く残されています。

伝統工芸:竹工芸について

竹工芸とは

 

 日本の風土に育まれた竹は種類が多く約600種類が生育しており、竹工芸ではそのうち約10種類を使用しています。竹はしなやかで弾力性があり、折れにくい性質があります。その特徴を活かし、古くは縄文時代から生活の道具が作られ、正倉院には現在でも花籠や盛籠が多く残されています。その技術は現在まで引き継がれ、茶道や華道、室内インテリアなどに利用され人々の生活に潤いを与えます。

 

 

材料となる竹ひご

竹は繊維が細かく・細く割る作業は非常に難しい作業です。竹を外側から割いていく板割りと竹の中心に向かって割っていく柾割りがあります。そうしてできた竹ひごを編みあげて作る「編物」と、竹ひごの線をいかして組みあげたパーツを組み合わせてつくる「組物」とがあります。

 

竹工芸の制作工程 

①竹ひごをつくる

②竹ひごを編んでつくる/竹ひごで編んだものを組み合わせる

③仕上げて完成

竹ひごの制作工程 

①みがき包丁で竹の表面の皮をとります

②割った竹を包丁でさらに細く割っていきます

③小刀で同じはばにそろえます

竹ひごの制作工程  ①みがき包丁で竹の表面の皮をとります  ②割った竹を包丁でさらに細く割っていきます  ③小刀で同じはばにそろえます

 

編み方の種類 

縦と横を同じ太さの竹ひごを編む方法と、別の太さで編む方法があります。

編み方の種類   縦と横を同じ太さの竹ひごを編む方法と、別の太さで編む方法があります。

 

竹工芸の種類 

【編物】何百本もの細い竹ひごを編んで形をつくり上げていきます。竹ひごのはばや厚みによって、編み目の模様や作品の形に変化がうまれます。

【組物】あらかじめ竹ひごで編んでつくったパーツを組み合わせてつくります。やや厚めでしっかりした竹ひごを、同じ間かくにならべる櫛目編という方法で形をつくり、ふちを籐の皮でかがってパーツをつくります。

 

 

<出典:『伝統工芸ってなに?』日本工芸会東日本支部編/芸艸堂刊 P50,51>