ARTerrace取扱い金工作家・奥村公規先生が、人間国宝に認定されることになりました
このたび、日本の伝統工芸界において長年にわたり卓越した技と美意識をもって制作にあたられ、また文化財修復を手掛けられてきた金工作家の奥村 公規 先生が、重要無形文化財保持者いわゆる「人間国宝」に認定*されることになりました。心よりお祝い申し上げます。
■人間国宝の認定について
国は、文化財保護法で「演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化で、我が国にとつて歴史上または芸術上価値の高いもの」を無形文化財と定義。特に重要なものを「重要無形文化財」に指定し、同時にこれらの「わざ」を高度に体現・体得している人や集団を、保持者または保持団体として認定しています。保持者や保持団体の認定には、「各個認定」「総合認定」「保持団体認定」の3つの方式がとられ、このうち各個認定を「人間国宝」、正式には「重要無形文化財の保持者」といいます。
重要無形文化財はこれまで芸能と工芸技術の2分野で指定されてきました。この指定・認定は1955年に始まり、芸能では、能楽、文楽、歌舞伎、舞踊などで指定。例えば「歌舞伎 女方(女形)」で坂東玉三郎さんが人間国宝に認定されています。工芸技術では、陶芸、染織、漆芸、金工などが指定され、「色絵磁器」で十四代今泉今右衛門先生が認定されています。
人間国宝は、文化庁が有識者らにより構成される文化審議会の専門調査会を開催し、芸能や工芸技術の実態などを踏まえて検討・答申し、文部科学相が認定します。
文化審議会は18日、陶芸技法の1つ「釉下彩」の中田一於さんら6名を新たに人間国宝に認定するよう文科相に答申しました。答申通り決まる見通しで、これで計110名となります。
また、人間国宝には事実上定員があり、116名です。保持者の技術の錬磨や伝承者養成などに対する助成金の予算が02年以降は毎年2億3200万円であるためです。総合認定は現在15団体、保持団体認定は16団体です。人間国宝は現時点で芸能(指定38件)認定54名、工芸技術(33件)50人の計104名。ちなみに、美術工芸品や建造物などの国宝は現在、計1144件です。