石膏型に漆で麻布を貼り重ねて厚みを作ってから、型から抜き出す脱乾漆で自由な造形をしています。また、縄に漆を染み込ませて漆の乾く力にまかせた造形もしています。加飾は蒔絵や螺鈿、玳瑁を用いますが、布目を赤く顕して黒塗りと対比させ、蒔絵などと同等に扱って文様として取り入れています。元々、大名子女の婚礼調度の中に「角赤」と呼ぶ赤い布目を見せる木胎の箱があり、黒と赤と金蒔絵のコントラストに惹かれていました。自身の作品は継ぎ目が無い乾漆であるため、木地に布を貼って接合部の布を残して下地漆で島のように高く上げて黒く塗るという「角赤」とは異なります。さらに、布目の高さを黒塗りと同じ高さにしているため 自身の布目は「縁赤」「赤抜」と呼び区別しています。