木工芸について

日本は気候や風士にめぐまれて、いろいろな種類の木が各地で生育しています。それらの木々を使って【指物】【刳物】【挽物】【曲物】などの技法が発展してきました。

日本の伝統工芸技法:木工芸

 

木工芸とは 

日本は気候や風士にめぐまれて、いろいろな種類の木が各地で生育しています。それらの木々を使ってはるか昔から優れた木の器や、箱等がつくられてきました。
木目の美しさをいかし、人々の生活に役立つものをつくるのが木工芸です。そのためには作品をつくるための木を選ぶことがとても大事です。

 

木工芸の制作工程 

①木を選ぶ

②板を組み合わせる/くり抜く/ろくろを使う/板を曲げる

③仕上げて完成

 

使用する木材 

「銘木」と呼ばれる何百年と育った大きな木や、特別に珍しい木目の木、「神代木」と呼ばれる長い間士の中に埋もれていた木、外国から運ばれてきた珍しい木を使うこともあります。木材は割れやゆがみが出ないように十分乾燥させてから使います。

木工芸に使用される木材:欅(けやき)、松、黒柿、神代杉

 

制作で使用する道具 

木材を切るためのノコギリや、表面を削って平らでなめらかにするカンナ、模様を彫る彫刻ノミや彫刻刀、そして穴を彫るノミなどの道具を使います。

木工芸に使用される道具:のこぎり、かんな、彫刻ノミと彫刻刀、のみ

木工芸の分類 

木工芸の作品は木材の加工方法の違いなどで分類されます。

 

【指物】木を削ったり彫ったりして、つぎ手と呼ばれる凸と凹の部材をつくり、それらを直角に組み合わせて箱などの作品をつくります。金属のクギなどを使わないで組み立てることが、指物の特徴です。

 

【刳物】木のかたまりを彫刻刀やノミで削り出して形をつくります。複雑な曲線や丸みのある形を自由自在につくることができます。

 

【挽物】ろくろで回転させた木に刃物をあてて形をつくります。円形の盆や鉢・椀などの作品をつくるのに向いている方法です。

 

【曲物】うすい板を蒸してやわらかくしてから曲げ、筒状にしてつくる方法と、板にノコギリで切り目を入れてうすく木を残し、折り曲げて多角形をつくる方法があります。

 

<出典:『伝統工芸ってなに?』日本工芸会東日本支部編/芸艸堂刊 P.46,47>

【関連リンク】国指定文化財等データベース(文化庁)