
「木工」「竹工」作品を未来へつなぐ
〜正しい保管とお手入れナビ〜
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自然素材ならではの温もりと美しさをもつ木や竹。日本では古くから家具や器に用いられ、現代でもサステナブルな素材として注目されています。一方で、適切なメンテナンスを怠ると、反り・ひび割れ・虫食いなどの劣化を招くことも。ここでは、木工品・竹工品を長く美しく保つための基本的なお手入れ方法をご紹介します。
お気に入りの作品を長くご愛用いただくために、木工・竹工作品の特徴と、おすすめのお手入れ・保管方法についてご紹介します。
水分は劣化のもと
木や竹は吸湿性が高く、水分を吸収するとカビや変形の原因になります。使用後はすぐに水気を拭き取り、乾いた風通しの良い場所で保管しましょう。
急激な温度や直射日光に注意
冷暖房の風が当たる場所や直射日光下での長期保管は、ひび・反り・変色の原因となります。収納は風通しがよく、温度変化の少ない場所を選びましょう。
乾拭きが基本
乾いたやわらかい布、または固く絞った布巾で拭き、表面に水分を残さないようにしましょう。
熱による劣化に注意
木は高温に弱く、電子レンジ・オーブン・食洗機の使用は基本的におすすめしません。熱い飲み物や料理を長時間入れたままにすることも避けましょう。
塗装仕上げに応じた洗い方を
漆やウレタン塗装の製品は、薄めた中性洗剤を使ってやさしく手洗いを。研磨性のある金たわしやメラミンスポンジの使用は避けてください。
\ARTerraceでは、作家本人によるメンテナンスサービスを提供できる場合がございますので、お気軽にお問い合わせください。/
水分・鉄分による変色を防ぐ
竹に含まれるタンニンは、水や鉄と反応して黒ずむことがあります。特に鉄製品と接触させないよう間隔を空けて保管いただくことがおすすめです。
虫食い対策
竹には糖分が含まれているため、長期間使用しないと虫害が発生することがあります。防虫には、熱湯をかける・防虫剤の活用が有効です。
オイルで乾燥対策
表面にオイル仕上げがある製品は、乾燥が気になったら竹用オイルや亜麻仁油を薄く塗り、乾いた布で拭いてあげるとひび割れ防止になります。
洗浄にはやわらかいたわしを
竹製品は亀の子たわしなどでやさしく洗っていただくと編み目の汚れが取れ、清潔に保てます。
収納は通気と除湿を意識
長期保存にはシリカゲルなどの除湿剤を添え、密閉を避けて風通しの良い場所に保管しましょう。
保管の際は重ねず、柔らかい紙などで保護を
繊細な漆塗りや表面仕上げがある作品は、他の器と重ねず、キッチンペーパーや和紙を間に挟んで保管すると、美しさを長く保てます。
定期的なお手入れと正しい保管方法を実践することで、作品本来の美しい姿で次の世代へバトンタッチ。今日から始める小さな心がけが、未来への贈り物となります。