彫金について

彫金には、「彫り」「象嵌」「打ち出し」といったさまざまな技法があります。

彫金とは  金属の表面に鏨(たがね)という特別な刃先のノミを使っていろいろな形の模様を線で彫ったり、彫った部分に別の金属を埋め込んだり、いろいろな技法があります。

彫金とは

金属の表面に鏨(たがね)という特別な刃先のノミを使っていろいろな形の模様を線で彫ったり、彫った部分に別の金属を埋め込んだり、いろいろな技法があります。

 

彫りとは

金属の表面に鏨を使っていろいろな模様を表現します。V字型の刃先で線を彫る基本の”毛彫り”、三角形の刃先で連続する細い線を彫る”蹴り彫り”、金属を切る鏨の刃先をさらに鋭くして彫る”削り彫り”等があります。

彫金の「彫り」を施した作品の画像

象嵌とは

金属の表面に模様を彫り別の金属を嵌めこんで、それぞれの金属の色や質感の違いによって模様を表現します。彫った線に金属を嵌める線象嵌、模様が表面からでっぱらないように嵌めた金属を平らにする平象嵌 、表面より高く嵌めこんで模様に高さををつける高肉象嵌、布目に彫った部分に金属箔を嵌める布目象嵌など、いろいろな技法があります。

彫金の「象嵌」技法を施した作品画像

 

象嵌の制作工程

①みぞを彫って底を広げます

②彫った形に合わせた金属を嵌めます

③金づちでふちを打ちながらとめます

④表面をヤスリや石で磨いて完成

 

打ち出しとは

金属の板をいろいろな鏨を使って、表裏の両面から何回も打つことによって立体的な形をつくります。できあがった形はもり上がりが高いものと、ブローチや着物の帯どめ金具のような低いものがあります。

 

 

打ち出しの制作工程

①金属に形の輪郭をうつします

②温めながら鏨を使って形をつくっていきます

③できあがった形の部分を切り取ります

④表面を研ぎ、模様を象嵌した後、色をつけて完成

打ち出しの制作工程の画像 ①金属に形の輪郭をうつします②温めながら鏨を使って形をつくっていきます③できあがった形の部分を切り取ります④表面を研ぎ、模様を象嵌した後、色をつけて完成

 

<出典:『伝統工芸ってなに?』日本工芸会東日本支部編/芸艸堂刊 P45,46>