螺鈿とは |
螺鈿はアワビや夜光貝、白蝶貝などの貝殻の輝いた部分を薄くして使います。「螺」は巻き貝をさし、「鈿」にはかざるという意味があります。蝶鈿は1300年ほど前に中国大陸から伝わった技法で、正倉院の宝物にも見ることができます。
螺鈿に使う貝は厚さによって厚貝・薄貝に分けられます。薄貝は青貝とも呼ばれ、砥石で擦ったり煮て薄く剥がしたもので、厚みは0.1ミリ以下です。貝の裏に金や銀などで色をつける裏彩色という技法もあります。厚貝は貝を砥石で平らにしたもので厚みは1ミリほどです。
螺鈿の制作工程 |
〈厚貝を使う〉
①糸のこで貝を切り抜きます
②仕上げた表面に模様を彫ります
③彫った部分に貝をはめます
④蒔絵をしてみがいて完成
〈薄貝を使う〉
①刃物で貝を切り抜きます
②貝の裏に漆を塗ってはりつけます
③貝の上から漆を塗り研ぎ出します
④蒔絵をしてみがいて完成
<出典:『伝統工芸ってなに?』日本工芸会東日本支部編/芸艸堂刊 P33>